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金属3Dプリントの受託サービスとは?費用相場と選び方を解説

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自社に金属3Dプリンターを導入せずに、金属部品の試作・製作を外部の専門業者に依頼する「受託造形サービス」を検討する企業が増えています。しかし、いざ依頼先を探そうとすると「どの工法・材料に対応しているのか」「費用相場はどれくらいか」「どこで選べば失敗しないのか」といった疑問が出てくるのではないでしょうか。本記事では、金属3Dプリントの受託造形の仕組みから、費用相場、失敗しない受託先の選び方、発注の流れまでをわかりやすく解説します。






金属造形の受託サービスとは


金属造形の受託サービスとは、金属3Dプリンターを保有する専門業者に、金属部品の設計データを渡して製作を委託することです。自社で高額な金属3Dプリンターを導入する代わりに、必要なときに必要な数量だけ外部の設備・技術を利用できる点が特徴です。


金属3Dプリンター本体は方式によって数千万円〜1億円を超えることもある高額な設備投資になるため、試作段階や小ロット生産では「導入」よりも「受託サービス(外注)」を選ぶ企業が多くなっています。受託サービスを利用すれば、設備投資をせずに金属部品特有のメリット(軽量化、複雑形状の一体成形、部品点数の削減など)を活用できます。


なお、金属3Dプリントは「金属積層造形」「金属AM(Additive Manufacturing)」とも呼ばれ、いずれも同じ技術を指す言葉です。本記事では表記を「金属3Dプリント」に統一して解説します。金属3Dプリントそのものの仕組みやメリット・デメリットについては、姉妹記事「金属3Dプリンターとは ~基礎知識やメリット・デメリットを解説~」で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。





受託サービスでよく使われる工法と対応材料


金属3Dプリントの受託造形で主に使われる工法は、パウダーベッド方式(PBF)、指向性エネルギー堆積法(DED)、バインダージェット方式の3つです。




  • パウダーベッド方式(PBF):金属粉末を薄く敷き詰め、レーザーやビームで選択的に溶融・積層する方式です。精度が高く、複雑形状や中空構造の一体造形に向いており、試作から最終製品まで幅広く採用されています。

  • 指向性エネルギー堆積法(DED):ノズルから金属粉末やワイヤーを供給しながらレーザーで溶融・肉盛りする方式です。大型部品の造形や、既存部品への肉盛り補修に向いています。

  • バインダージェット方式:金属粉末に結合剤を吹き付けて成形した後、焼結して仕上げる方式です。比較的低コストで中〜大量生産にも対応しやすい方式です。



対応材料は受託先によって異なりますが、一般的にはステンレス(SUS316L、SUS430など)、マレージング鋼、アルミ合金、チタン合金、銅合金、ニッケル合金(インコネル718など)、タングステンなどが挙げられます。


特にフェライト系ステンレス(SUS430)やアルミ合金の高精度・微細形状造形は、材料特性や造形条件の最適化が難しく、高度なノウハウが求められるため、対応可能な受託先は限られます。自動車の排気部品など量産材と近い物性が求められる用途では、対応実績のある受託先を選ぶことが重要です。


工法ごとの向き・不向き


同じ「金属3Dプリント」でも、工法によって得意な用途は異なります。依頼したい部品の要求仕様に応じて、対応工法を確認しましょう。




  • PBFが向いているケース:複雑な内部流路を持つ部品、ラティス構造による軽量化部品、寸法精度・面粗さが求められる試作品や最終製品など。航空・自動車分野の複雑形状部品でよく採用されます。

  • DEDが向いているケース:既存の金属部品への肉盛り補修、比較的大型のニアネットシェイプ部品など。造形速度が速い一方、PBFに比べると精度・微細形状の再現性は劣る傾向があります。

  • バインダージェットが向いているケース:比較的多くの数量を効率よく生産したい部品。サポート材が不要なため複雑形状にも対応しやすく、生産性に優れています。一方で焼結工程による収縮管理が必要となるため、PBFほどの寸法精度が求められない用途に向いています。



なお、微細形状や薄肉・高アスペクト比の形状(ラティス構造や薄板の組み合わせなど)を高精度に再現できるかどうかは、受託先の技術力によって差が出やすいポイントです。





金属3Dプリント受託サービスと従来加工法(切削・鋳造・鍛造)の違い


金属部品を製作する方法は、金属3Dプリントだけではありません。切削加工・鋳造・鍛造といった従来工法と比較し、それぞれの得意分野を理解した上で受託先・製法を選ぶことが重要です。













項目金属3Dプリント(受託サービス)切削加工鋳造鍛造
得意な形状複雑形状・中空構造・一体成形シンプル〜中程度の形状、高精度が必要な形状大量生産向けの定型形状高強度が求められる形状(形状の自由度は低い)
金型の要否不要不要(治具は必要な場合あり)必要必要
少量・試作への向き不向き向いている(1個から対応可)向いている不向き(金型費用がかかる)不向き(金型費用がかかる)
表面品質・精度工法により後加工が必要な場合が多い高精度・高品質工法によりばらつきあり比較的高精度だが、後加工が必要な場合がある
量産時のコスト量産では割高になりやすい数量次第で安定量産に強くコストを抑えやすい量産に強くコストを抑えやすい

金属3Dプリントは、金型不要で複雑形状を一体成形できる点が最大の強みです。一方で、量産フェーズでは切削加工や鋳造・鍛造の方がコストを抑えやすいため、「試作・小ロットは3Dプリント受託サービス、量産は切削・鋳造・鍛造」といった使い分けも実務ではよく行われています。





金属3Dプリント受託サービスの費用相場


金属3Dプリント受託サービスの費用は、部品のサイズ・材料・数量・後加工の有無によって大きく変動するため、一律の相場を示すことは難しいのが実情です。ただし、費用を左右する主な要因は次の4つに整理できます。




  • 材料の種類:チタンやインコネルなどの高機能材料は、ステンレスやアルミ合金に比べて材料費・造形難易度が高くなる傾向があります。

  • 部品のサイズ・体積:造形時間は部品の体積や高さに比例して増えるため、大型部品ほど費用が上がります。

  • 数量:まとまった数量を発注するとボリュームディスカウントが適用される受託先もあります。小ロット生産にも対応しているかは事前に確認しておきましょう。

  • 後加工の有無:熱処理、サポート材除去、表面仕上げ、機械加工などの後加工を追加するほど費用は上がります。



金属3Dプリント受託サービスの費用を左右する4つの要因の図解


なお、金属3Dプリンター本体の導入費用(数千万円規模)と、受託サービス(外注)で1部品を製作する費用はまったく別物です。受託サービスであれば装置への投資なしに、部品単位の見積もりだけで金属造形を利用できます。


ケース別の費用感の目安


金属3Dプリント受託サービスの費用は「材料費+造形費+後加工費」の合計で決まるのが基本です。ケースごとの傾向は次のとおりです。




  • 小型・シンプル形状の試作を1個だけ依頼する場合:材料・後加工なしのシンプルな形状であれば、比較的抑えた費用で製作できるケースもあります。

  • 複雑形状・中〜大型部品、または難削材(チタン・インコネルなど)を使う場合:造形時間や材料単価が上がるため、費用も相応に高くなる傾向があります。

  • 表面仕上げ・熱処理などの後加工を含める場合:後加工の工程数に応じて費用が加算されます。精度や量産材相当の物性を求めるほど、後加工のコスト比率が高くなりやすい点に注意しましょう。



これらはあくまで一般的な傾向であり、受託先や仕様によって金額は大きく変動します。なお、金属3Dプリントは形状や材料によって工程が複雑になるため、オンラインでの自動見積りには対応しておりません。正確な費用を知りたい場合は、お問い合わせフォームより仕様(材料・形状・数量など)をご相談ください。担当者が内容を確認のうえ、個別にお見積りいたします。 → お問い合わせはこちら





受託先を選ぶときの6つのポイント


金属3Dプリントの受託先を選ぶ際は、次の6点を確認しましょう。




  1. 対応材料・工法の幅:候補としている材料(アルミ、ステンレス、チタンなど)や工法に対応しているか。特殊材料や難削材への対応実績があるとより安心です。対応材料が限られる受託先に依頼してしまうと、途中で材料変更ができず、別の業者に再発注し直すことになるケースもあります。

  2. 精度・造形品質:面粗さや寸法精度、ラティス構造・薄肉形状への対応可否など、自社の要求仕様を満たせるか。精度の確認が不十分なまま発注すると、公差から外れた造形品が納品され、手直しや再製作が必要になることがあります。

  3. 後加工までの一貫対応:熱処理・サポート除去・表面仕上げなど、後加工まで一括で依頼できると納期短縮・工数削減につながります。後加工に非対応の受託先だと、造形後に自社で別の加工業者を探して手配する必要があり、結果的にトータルの納期が延びてしまうこともあります。

  4. 納期・小ロット対応:試作段階では小ロット・短納期に対応できる受託先が扱いやすくなります。量産向けの大ロット対応が中心の業者だと、1〜数個の試作依頼を後回しにされたり、割高な設定になっていたりする場合があります。

  5. 技術サポート・事前レビュー体制:CADデータや図面の確認、造形可否の判断、形状改善提案などに丁寧に対応してくれるか。金属3Dプリントでは、造形方向やサポート設計によって品質やコストが大きく変わります。事前のすり合わせが不十分なまま進めると、造形失敗や想定外のコスト増につながることがあります。

  6. 他工法への対応・提案力:切削加工や鋳造など、金属3Dプリント以外の工法にも対応しているか。金属3Dプリントには向いている形状と向いていない形状があり、製作自体は可能でもコストが割高になるケースがあります。複数の工法を取り扱う受託先であれば、図面や用途に応じて最適な製造方法を提案できるため、品質・コスト・納期のバランスを考慮したものづくりが可能になります。



金属3Dプリント受託先を選ぶ6つのポイントの図解





金属3Dプリント受託サービスの活用シーン


金属3Dプリントの受託サービスは、次のような場面で活用されています。




  • 先行開発の試作品:軽量化や複雑形状の一体成形が求められる部品づくりに向いています。量産材に近い物性を確認したい場合は、対応材料の実績を確認しましょう。

  • 熱交換器・熱マネジメント部品の製造:複雑な形状を一体で製造できるため、従来工法では実現が難しかった超小型・軽量な高性能熱交換器の製作が可能です。

  • 産業機械・治具:短納期で必要な数だけ製作できるため、生産ラインで使う治具や工具の内製代替として活用されています。

  • 医療関連の部品・器具:個々の患者や用途に合わせたオーダーメイド性の高い形状が求められる分野で、金属3Dプリントの自由な造形力が活かされます。

  • 試作・評価用の少量部品:金型が不要なため、設計変更を繰り返しながら少量ずつ試作を行いたい開発フェーズに向いています。



いずれの用途でも、「どの材料・工法に対応できるか」「量産材相当の物性を再現できるか」は受託先によって差が出やすいポイントです。自社の用途に近い実績を持つ受託先を選ぶことが、失敗しないためのポイントになります。





発注の流れ(データ準備からお問い合わせ、納品まで)


金属3Dプリントの受託サービスは、一般的に次の流れで進みます。




  1. 3D CADデータ(STL形式など)や図面を用意する

  2. お問い合わせフォームから、希望する材料・形状・数量などを相談する

  3. 担当者が内容を確認し、個別に見積りを提示する

  4. 見積り内容に問題がなければ発注する

  5. 造形・後加工が行われ、検査を経て納品される



金属3Dプリント受託サービスの発注の流れ(お問い合わせベース)の図解


金属3Dプリントは形状や材料によって工程が複雑になるため、SOLIZEオンライン3Dプリントの自動見積りには対応していません。お問い合わせいただいた内容をもとに、担当者が個別に見積り・ご提案いたします。 → お問い合わせはこちら





受託先選定チェックリスト















確認項目確認する内容
対応材料アルミ・ステンレス・チタン・ニッケル合金など、必要な材料に対応しているか
対応工法PBF・DED・バインダージェットなど、求める精度・形状に適した工法があるか
精度・実績微細形状や難削材への造形実績があるか
後加工熱処理・表面仕上げ・機械加工まで一括対応できるか
数量対応試作の小ロットから量産規模まで柔軟に対応できるか
技術サポート・事前レビューCADデータ・図面の確認や造形可否の判断、形状改善提案に対応しているか
他工法対応・提案力切削加工・鋳造など、金属3Dプリント以外の工法にも対応・提案できるか




よくある質問


金属3Dプリントの受託サービスと自社導入は、どちらを選ぶべきですか?


試作段階や発注数量が少ない段階では、初期投資が不要な受託サービス(外注)の利用がおすすめです。継続的に大量の金属部品を製作する見込みがある場合に、自社導入を検討する流れが一般的です。


受託造形にはどのくらいの納期がかかりますか?


部品の形状・数量・後加工の有無によって異なりますが、試作程度の小ロットであれば数日〜1週間程度で対応できる受託先もあります。急ぎの案件は事前に納期を相談しておくと安心です。


小ロットでも受託サービスは依頼できますか?


可能です。金属3Dプリンターは金型が不要なため、1個からの試作にも向いています。ボリュームディスカウントの有無は受託先によって異なるため、事前に確認しましょう。


データ作成の知識がなくても依頼できますか?


3D CADデータがあれば依頼可能です。データに不備がある場合でも、自動データ評価システムなどで事前にチェックできる受託先を選ぶと、手戻りを防ぎやすくなります。


金属3Dプリント受託サービスで、よくある失敗やトラブルにはどんなものがありますか?


代表的なものとして、完成品の品質やコスト、納期が想定と異なるケースがあります。こうしたトラブルの多くは、材料選定や造形方法、後加工の内容、要求仕様の認識にずれが生じることで発生します。そのため、発注前にCADデータや図面のレビュー、仕様のすり合わせを丁寧に行い、技術的な相談や提案に柔軟に対応してくれる受託先を選ぶことが重要です。


金属3Dプリントのメリット・デメリットをもっと詳しく知りたいのですが?


金属3Dプリントの仕組みや具体的なメリット・デメリットは、姉妹記事「金属3Dプリンターとは ~基礎知識やメリット・デメリットを解説~」で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。





まとめ


金属3Dプリントの受託造形は、設備投資をせずに金属部品特有のメリットを活用できる選択肢です。切削加工・鋳造・鍛造など従来工法と比べて、複雑形状の一体成形や小ロット試作に強みがある一方、量産では割高になりやすい点は押さえておきましょう。受託先を選ぶ際は、対応材料・工法の幅、精度・実績、後加工までの一貫対応、小ロット対応、技術サポート・事前レビュー体制、他工法への対応・提案力の6点を確認することが失敗しないポイントです。


SOLIZEオンライン3Dプリントについて


「SOLIZEオンライン3Dプリント」は、最短3分でお見積りから形状の再現性の確認、発注までをオンラインで完結できる3Dプリント出力サービスです。


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