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金属3Dプリンターとは ~基礎知識やメリット・デメリットを解説~

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金属3Dプリンターは3D CADデータをもとに、金属材料を使用して物体を造形する装置です。特に自動車試作や航空宇宙、医療での導入が進んでいます。本コラムでは、金属3Dプリンターの基礎知識や、メリット・デメリットを紹介します。




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  1. 金属3Dプリンターとは

  2. パウダーベッド方式

    1. レーザー方式

    2. 電子ビーム方式


  3. 指向性エネルギー堆積方式

  4. 熱溶解積層(FDM)方式

  5. バインダージェット方式

  6. アーク溶接方式

  7. 超音速堆積法

  8. 液体金属堆積法

  9. 金属3Dプリンターのメリット

    1. 型製作が不要なため作業時間とコストを削減可能

    2. 短納期で試作品を製作できる

    3. 多品種少量の製品を造形可能

    4. ショットピーニングやHIP処理を行うことで、鍛造品と同等以上の強度がある金属部品を製作できる

    5. ラティス構造や中空形状、トポロジー最適化などが実現可能

    6. 金属部品の軽量化が可能


  10. 金属3Dプリンターのデメリット

    1. イニシャルコスト・ランニングコストが高い

    2. 大量生産には不向き

    3. 造形に関する技術と技能が必要

    4. 造形後に加工が必要なケースがある


  11. 金属3Dプリンターが適している製品

    1. パーソナライズが必要な製品

    2. 加工が難しい、複雑な形状の製品


  12. 金属3Dプリンターが活用される業界の例

    1. 航空宇宙

    2. 医療

    3. 自動車試作


  13. まとめ

  14. よくある質問





金属3Dプリンターとは


DMP Flex 100

金属3Dプリンターは、3D CADデータをもとにチタンやアルミニウム、ステンレス、マレージング鋼、銅合金、タングステン、超硬などの金属材料を積層して造形する装置です。



専用ソフトウェアで作成した断面スライスデータに基づき、金属材料を結合させながら層を積み重ねる仕組みで、複雑な形状や中空構造などの造形物を製作します。また、鋳造や鍛造とは異なり、専用の型を使用せずに部品を製作できます。造形方法には、パウダーベッド方式や指向性エネルギー堆積方式、熱溶解積層方式、バインダージェット方式などがあります。製品の形状や材料に合わせて適切に使いわけることが重要です。



おすすめの金属3Dプリンター:DMP Flex 100、DMP Flex 350、DMP Factory 350







パウダーベッド方式


パウダーベッド方式は、金属3Dプリンティングにおいて広く利用される造形方法です。この方式では、金属粉末を均一に敷き詰めたベッド(台座)の上に作成した3Dモデルの断面データをもとにレーザーや電子ビームを照射します。パウダーベッド方式は、造形物の精度と密度を高めることができます。また、金属粉末を層状に敷き詰めるため、複雑な形状や内部構造を再現することが可能です。


レーザー方式


レーザー方式は、レーザーを使用して金属粉末を溶融する方法です。レーザーの焦点が小さく集中するほど、より高い精度で造形することができます。一般的なレーザーの出力は、電子ビームに比較して相対的に低く、レーザーの方向を光学的に制御するため、造形速度が遅くなる場合があります。しかし、近年では、複数のレーザーを使用した装置が登場し、スピードの向上が進んでいます。


電子ビーム方式


電子ビーム方式は、電子ビームを使用して金属粉末を溶融する方法です。電子ビームは高い出力と熱変換効率を持ち、より高速な造形が可能です。ただし、電子ビーム方式ではビームの直径が大きくなる傾向があり、造形物の表面の粗さや精度はやや劣る場合があります。






指向性エネルギー堆積方式


指向性エネルギー堆積方式は、粉末やワイヤーなどの金属材料を供給しながらレーザーや電子ビームを使用して溶融し、堆積していくことで造形体を作り出します。



一般的には金属粉末が用いられ、不活性ガス環境下で供給されます。供給される材料は精密に制御され、指向性エネルギー源によって高温の環境で溶融、凝固された後、堆積していきます。この過程により層ごとに材料が積み重なり、最終的に金属造形品が形成されます。






熱溶解積層(FDM)方式


熱溶解積層方式は、熱可塑性樹脂と金属粉末を溶融して積層する造形方法です。



まず、熱可塑性樹脂に金属粉末を混ぜ込みます。この混合物は高温に加熱され、樹脂が軟化・溶融します。続いて、溶融した樹脂と金属粉末の混合物を積層していきます。造形装置は、一層ずつ材料を押し出し、所定の形状を持つ層を形成します。積層された層は冷却され、次の層が形成されるまでに固化します。この過程を繰り返すことで、立体的な造形物が形成されます。この状態をグリーン体と呼びます。



造形後には樹脂が残ってしまうため、脱脂と呼ばれる工程が必要です。脱脂では、溶剤や熱を用いて樹脂を取り除きます。続いて、脱脂された金属造形物を焼結します。焼結とは、高温で金属粉末を固めるプロセスです。金属粉末は加熱により結合し、造形物がより密度の高い状態になります。



焼結による処理は、樹脂の脱脂と金属の結合を促進します。また、焼結により樹脂が蒸発するため、造形物の体積は約20%収縮します。この収縮率は材料や条件により異なりますが、設計段階で適切に考慮する必要があります。



熱溶解積層方式は、他の造形方式に比べて装置が低価格であり、導入しやすいというメリットがあります。しかし、脱脂や焼結といった追加の工程が必要であり、それぞれの工程の最適化が求められます。






バインダージェット方式


バインダージェット方式は、金属粉末に対して液体の結合剤である「バインダー」を噴射して造形する方法です。造形体の形状や内部構造を自由に制御することが可能で、バインダーの噴射により粉末同士が結合するため支持構造やサポート材が不要であり、後処理が簡略化されます。



しかし、バインダージェット方式で作られた造形体は、焼結処理によりバインダーが取り除かれる際に体積収縮が発生します。一般的に約20%の収縮が起こるため、この収縮分を予測した設計や寸法調整が必要です。



また、バインダージェット方式では密度が低くなる傾向があり、特に大型部品や高密度を要求する用途では課題となります。そのため、現在はおもに微細な形状を持つジュエリーや小型部品の試作に利用されています。






アーク溶接方式


アーク溶接方式は、溶接機器を使用して、溶接ワイヤーとシールドガスを連続的に供給し、積層する造形方法です。



この方式では、既存の汎用アーク溶接ワイヤーが使用できます。すでに市場に出回っているさまざまな種類のワイヤーを使用することで、多様な金属材料の3Dプリンティングが可能となります。また、市販の溶接ワイヤーが使用できるため、材料コストは粉末ベースの方式に比べて低く抑えられ経済的なメリットがあります。さらに、シールドガスの選択やパラメータの調整により、材料の特性や造形品の品質が制御可能です。



アーク溶接方式は、その汎用性と低コスト化の特長から、注目を浴びています。既存の溶接機器の技術を活用しながら、研究開発などで利用されています。






超音速堆積法


超音速堆積法は、金属3Dプリンティングにおいて革新的な方式であり、非常に興味深い技術です。



この方式では、金属粉末を含んだ空気を高速で加速させ、音速の3倍以上の超音速で吹き付けることにより金属の粒子を結合させます。具体的には、ロケットノズルを使用して高速な気流を生成し、その中に金属粉末を混ぜ込んで供給します。この高速な気流により金属粒子が加速され、対象の基板上に衝突・堆積します。吹き付けられた金属粒子同士が高速で衝突・接触することで自己結合し、一体化した3Dオブジェクトを形成します。






液体金属堆積法


液体金属堆積法は、液体金属を積層する造形方法です。密閉されたカートリッジ内に液体の「インク」として固体金属ナノ粒子が懸濁されているものを使用しています。



この方式の最大の特長は、その滑らかさと精密さです。液体金属を使用することで、既存の金属3Dプリンターよりもさらに細かい部分まで正確に造形することができます。特にサブミクロンレベルでの堆積と高温結合により金属化されるため、歪みなどの問題が発生しにくい造形法となります。



液体金属堆積法は、カートリッジ内の液体金属を効率的に供給し、積層することで迅速な造形ができるため、高速大量生産の可能性を秘めており、大量生産を視野に入れた金属3Dプリンターとして注目されています。






金属3Dプリンターのメリット


金属3Dプリンターは、従来の切削加工や鋳造、鍛造といった加工方法にはないメリットがあります。



金属3Dプリンターのおもなメリットは、以下の6点です。




  • 型製作が不要なため作業時間とコストを削減可能

  • 短納期で試作品を製作できる

  • 多品種少量の製品を造形可能

  • ショットピーニングやHIP処理を行うことで鍛造品同等以上の強度がある金属部品を製作できる

  • ラティス構造や中空形状、トポロジー形状などの複雑な形状を造形可能

  • 金属部品の軽量化が可能



型製作が不要なため作業時間とコストを削減可能


金属3Dプリンターの特長として、一体造形による部品数の削減や溶接・ロウ付けが不要であることが挙げられます。積層造形の手法を用いることで、複数の部品を一つの構造物として一度に製造することができます。これにより、部品の組み立てや溶接作業の手間やコストを削減することができます。また、トポロジー最適化と呼ばれる技術を活用することで、部品の強度を損なうことなく軽量化を実現することも可能です。部品の機能性や効率を向上させながら、材料の使用量を削減できます。

短納期で試作品を製作できる


金属3Dプリンターは、短期間での試作品の製作が可能です。迅速に製品の試作を行い、設計の確認や機能性の検証を行うことができます。さらに、金属3Dプリンターを使用することで、細かな設計変更への柔軟な対応が可能です。部品の形状やサイズ、内部構造などを容易に調整できるため、製品の改良や最適化を効率的に行うことができます。これにより、製品の品質向上や市場投入までの時間を短縮することができます。

多品種少量の製品を造形可能


金属3Dプリンターは、デジタルデータから直接物体を製造するため、容易に設計変更ができます。製品のデザインを微調整したり、カスタム製品を作成したりすることが可能です。これにより、多様な製品バリエーションを生産することができます。

ショットピーニングやHIP処理を行うことで、鍛造品と同等以上の強度がある金属部品を製作できる


ショットピーニングは、金属表面にショットと呼ばれる小さな球状投射材を投射することで、材料表面の機能を向上させる技術です。これにより疲労強度や耐摩耗性、耐応力腐食割れ特性などを向上することが可能になります。



HIP(Hot Isostatic Pressing:熱間等方圧加圧法)処理は、数100~2,000℃の高温下で圧力をかけ、材料の中に存在している空孔を消滅させる加工方法です。これにより密度が上がり、破断寿命を伸ばす効果が期待できます。



ショットピーニングやHIP処理を行うことで、鍛造品と同等以上の強度がある金属部品を製作できます。



ラティス構造や中空形状、トポロジー最適化などが実現可能


トポロジー最適化

ラティス構造や中空形状は、軽量化や小型化をしつつ強度や機能を担保するために効果的で、3Dプリンターだからこそ実現可能です。特にラティス形状はその三次元網目構造を活かして、部材の軽量化、衝撃吸収構造材、人工骨の生体適応機能などのさまざまな分野で、この新しい形状を活用しようという試みがなされています。



トポロジー最適化は、設計したい空間にどのように材料を配置すれば最適な構造となるのかを提案する解析手法です。特定の荷重条件に耐え得る形状のみが残るため、大幅な軽量化が可能となります。



このような3Dプリンターならではの設計手法は、DfAM(Design for Additive Manufacturing)と呼ばれています。この手法では、積層造形特有の制約や特性を考慮しながら、最適な形状や内部構造を設計することができます。



たとえば、部品の軽量化や強度向上のために、内部に格子状の構造を持たせることや、応力分散を考慮した形状を作り出すことが可能です。これにより、従来の製造方法では実現が難しかった高性能で複雑な部品の開発が可能になります。




金属部品の軽量化が可能


金属3Dプリンターを活用すると、部品の内部構造や形状を最適化することができます。トポロジー最適化、ラティス(格子構造)、ハニカム構造などにすることで、部品に必要な強度を保ちながら、不要な材料を削減することができるため、金属部品の軽量化が可能です。






金属3Dプリンターのデメリット


金属3Dプリンターのおもなデメリットは、以下の4点です。




  • イニシャルコスト・ランニングコストが高い

  • 大量生産には不向き

  • 造形に関する技術と技能が必要

  • 造形後に加工が必要なケースがある



イニシャルコスト・ランニングコストが高い


金属3Dプリンターの導入には、装置本体の購入費用に加えて専用の設備や施設の準備などのイニシャルコストが必要です。たとえば、金属3Dプリンターは温度や湿度の変化に敏感であり、安定した環境を必要とします。そのため、恒温室の設置や空調設備の整備が必要になることがあります。恒温室の構築には高価な設備や特殊な建材が必要となり、数百万円以上の費用を要することがあります。また、金属3Dプリンター自体の本体価格は非常に高額であり、1億円を超えるモデルも存在します。



金属3Dプリンターの導入後は、ランニングコストが必要です。これは、装置本体や付帯設備・材料の維持・交換費用、エネルギー消費費用、フィルター交換、および定期的な保守メンテナンス費用などを含みます。金属3Dプリンターは高度な技術を必要とし、材料費も比較的高額です。また、金属3Dプリンターは高出力のレーザーやエネルギーを使用し、精密な制御を必要とするため、エネルギー消費量が大きく、電気料金がかさむことがあります。



大量生産には不向き


金属3Dプリンターは、造形物の大きさによっては大量生産には向いていないとされています。



大きなサイズの造形物を一度に造形する場合、多くの材料と時間を要します。層を積み重ねて造形するため、層ごとに材料を供給し、一層が完了するまで次の層を造形することができません。そのため製造時間が大幅に増加します。



造形に関する技術と技能が必要


金属3Dプリンターを適切に操作するには、造形に関する技術と技能が必要です。まず、造形体のデータを準備するためには、CADの使用方法を習得する必要があります。CADを用いて部品や製品のデジタルモデルを作成し、3Dプリンターが理解できる形式に変換します。データ作成には寸法や形状の正確さが求められるため、CADのスキルが必要不可欠です。



また、素形材を同時に製造する技術となるため、素材である金属に対する知識と、形状を形成する積層技術に対する知識と経験が必要です。



造形後に加工が必要なケースがある


造形方式により、一部の場合において精度が制約されることがあります。特に、非常に高い精度や特殊な表面仕上げが必要な場合には、3Dプリンティングの限界が生じることがあります。



たとえば、10ミクロン以下の微細な精度が求められる場合、一部の3Dプリンティング技術ではその要件を満たすことが難しい場合があります。造形プロセスにおいて微小な誤差が生じることや、積層による表面の粗さが現れることが影響をおよぼす場合があります。



また、鏡面仕上げなどの高い表面品質が求められる場合にも、3Dプリンティング単体では完璧な仕上がりを得ることが難しい場合があります。造形材料や造形プロセスにより表面の凹凸や段差が生じる場合があり、それによって鏡面仕上げの実現が難しくなります。



このような場合、一般的には3Dプリンティングによる造形後に、別途加工や仕上げ工程を踏むことで、要求される高い精度や特殊な表面仕上げを実現することができます。たとえば、後加工としての熱処理、表面処理、研磨や研削、塗装、コーティングなどを施すことで、目標とする精度や表面品質を得ることができます。






金属3Dプリンターが適している製品


金属3Dプリンターが適している製品は「パーソナライズが必要な製品」と「加工が難しい、複雑な形状の製品」です。


パーソナライズが必要な製品


金属3Dプリンターは、ユーザーごとにカスタマイズが必要な製品の製作において大きな利点があります。



たとえば、人工骨や入れ歯などの医療機器は、患者一人ひとりの骨格や歯形に合わせた形状やサイズが求められます。これまでは、鋳造にて製品を作る際には、患者に合わせた専用の金型を作成する必要がありました。金型の製作には時間と手間がかかり、修正や調整が必要な場合にはさらなる作業が必要でした。



金属3Dプリンターでは、CADデータを修正することで製品の形状を容易に変更できます。患者の個別の要件に合わせて製品をカスタマイズするため、製品の設計や形状の変更が素早く行えます。この柔軟性により、少量多品種の製品に対応することが可能です。



さらに、金属3Dプリンターは高精度な造形が可能であり、微細な部品や複雑な形状を正確に製作することができます。これにより、患者の個別の解剖学的特徴や機能要件に応じた製品を提供可能です。



加工が難しい、複雑な形状の製品


金属3Dプリンターは、その積層造形の特性から、従来の切削加工では難しい複雑な形状や内部構造を持つ部品製作に適しています。



従来の切削加工では、工具のアクセスや切削能力の制約により、複雑な形状や内部構造を持つ部品を製造することが困難でした。たとえば、内部に細かなチャネルや冷却用水管を配置する必要がある場合、切削加工では工具が到達できず、製品の形状を再現することができませんでした。



しかし、金属3Dプリンターを使用すると、積層して部品を造形するため、複雑な形状や内部構造を精密に再現することができます。特に、内部にチャネルや水管を持つ部品は、積層造形により一体化して製作できます。これにより、冷却用水管の配置や内部流路の最適化など、従来の製造方法では難しかった設計や機能の実現が可能となります。



また、金属3Dプリンターは切削加工が難しい材料にも適しています。たとえばチタン合金は、その強度や耐熱性などの優れた特性から航空宇宙や医療において重要な材料ですが、同時に切削加工が困難な材料でもあります。金属3Dプリンターを使用することで、切削工程を回避し、チタン合金の部品を直接造形することができます。







金属3Dプリンターが活用される業界の例


金属3Dプリンターには多くのメリットがあるため、以下の業界に使用されています。




  • 航空宇宙

  • 医療

  • 自動車試作



航空宇宙


金属3Dプリンターは航空宇宙産業において革新的な造形技術として注目されています。特に航空機エンジンの部品製作において、金属3Dプリンターは大きな利点をもたらしています。



航空機エンジンのタービンブレードや燃焼ノズルは、高い耐熱性や複雑な内部構造が求められる部品です。従来の鋳造や切削加工では、多くの工程と高度な技術が必要でした。しかし、金属3Dプリンターを用いることで、複雑な形状や内部構造を持つ部品が効率的に製作可能です



医療


医療分野では、患者に合わせて最適な形状の「人工骨」や「入れ歯」を提供する必要性があるため、金属3Dプリンターが広く活用されるようになっています。



金属3DプリンターはCADデータを活用して自由な形状を製作できるので、患者一人ひとりに最適なモデルを提供することができます。



自動車試作


自動車業界では、切削加工が難しい材料や複雑な形状を持つパーツ製作において、金属3Dプリンターが大きなメリットを発揮します。たとえば自動車のエンジン部品やサスペンションコンポーネントなど、高い強度や耐久性が求められるパーツの試作が効率的に行えます。



自動車の部品には車種や仕様ごとに要件がありますが、金属3Dプリンターを活用することで、個々のユーザーの要求に合わせたカスタムパーツを短期間で製作でき、オンデマンド生産が容易になります。お客さまのニーズに柔軟に対応できるだけでなく、在庫の削減や生産効率の向上も期待できるため、多くの自動車メーカーや自動車部品メーカーでの活用が増えています。






まとめ


金属3Dプリンターは、従来の切削加工や鋳造、鍛造などでは難しい複雑な形状の製品に対して、幅広く活用されています。



導入には高いイニシャルコストやランニングコストがかかるという課題がある一方で、短納期で試作品を製作でき、複雑な形状で強度のある金属部品を製作できることから、さらなる活用が期待されています。







よくある質問


金属3Dプリンターの用途を教えてください。


金属3Dプリンターは、製造業を中心に広範な分野で広く使われています。自動車産業、医療分野、航空宇宙、先端研究など、さまざまな業界で普及しています。



具体的な用途は業界により異なりますが、製造業ではおもに以下のような目的で活用されています。




  • 製品や部品の設計段階における、デザイン検討や機能検証などの試作品製作

  • 3Dの水管を配置したハイサイクル金型の製作



金属3Dプリンターでは、どのような部品製作ができますか。


金属3DプリンターはCADデータをもとに直接造形するため、デザインや形状の自由度が非常に高いという特長があります。自動車産業では、サスペンション部品、ブレーキペダル、シリンダーブロックなど、航空宇宙分野では、タービンブレードや燃焼ノズルなど、医療分野では患者に合わせた最適な形状の人工骨や入れ歯などを製作しています。



金属3Dプリンターと切削加工はどのように使いわけるとよいのですか。


金属3Dプリンターは、切削加工が困難な形状や難削材の加工において非常に有効です。



切削加工は、刃物や工具を使用して材料を削り取るため隅Rがついてしまうことがあり、場合によっては必要な機能が確認できないことがあります。一方で、ブロックや丸棒から削る切削加工は、塊形状やシンプル形状、寸法精度が厳しい形状に適しています。



金属フィラメントについて教えてください。


金属フィラメントは、3Dプリンティングに使用される特殊なフィラメント(材料の形態)の一種です。一般的には、プラスチックや金属などの材料が線状に成形されたものを意味します。通常のプラスチックフィラメントとは異なり、金属フィラメントは金属粉末(一般的には真鍮、銅、ステンレス鋼、アルミニウムなど)をプラスチックマトリックスに組み込んだものです。



金属造形について教えてください。


金属積層造形技術は、金属部品の製作に革新をもたらす先進的な技術です。この技術では、高エネルギーの電子ビームまたはファイバーレーザーを使用して金属粉末を溶解し、部品を一層ずつ形成します。







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