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3Dプリンター用レジンとは?種類・特徴・選び方を徹底解説

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光造形3Dプリンターにおいて、造形品質を左右する重要な要素が「レジン(光硬化性樹脂)」です。レジンの種類や特性によって、仕上がりの精度や強度、用途適性は大きく変わります。
一方で、「どのレジンを選べばよいのか分からない」「種類が多く違いが理解しづらい」といった課題を感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、光造形で使用されるレジンに焦点を当て、種類や特徴、選び方のポイントまでを分かりやすく解説します。







レジンと3Dプリンター(光造形)の基礎知識


レジン(光硬化性樹脂)とは


レジンとは、紫外線(UV光)などを照射することで硬化する液体樹脂のことです。


光造形3Dプリンターでは、この液体レジンを一層ずつ硬化させながら積層することで、立体物を造形します。


なお、レジンは単一の材料ではなく、エポキシ系やアクリル系など複数の種類が存在し、それぞれで強度や寸法安定性などの特性が異なります。



光造形3Dプリンターの仕組み


光造形3Dプリンターは、光を照射して樹脂を硬化させるのが特徴です。


主な流れは以下の通りです。





  • レジンタンクに液体樹脂を入れる

  • UV光を照射して一層分を硬化させる

  • この工程を繰り返し、層を積み重ねて立体物を形成する




この仕組みにより、非常に滑らかな表面と高精細な造形が可能になります。


光造形方式は、特に外観品質や微細形状が求められる用途に適しており、試作・デザイン確認・精密部品の製作などで広く活用されています。




FDM方式との違い


FDM方式(熱溶解積層方式)は、加熱・溶融して積層するのに対し、光造形方式は液体樹脂を光で硬化させる点が大きく異なります。


その結果、光造形方式は以下の点で優れています。





  • 積層痕が目立ちにくい

  • 微細形状の再現性が高い

  • 外観品質に優れる




一方で、後処理(洗浄・二次硬化)が必要になる点や、材料の取り扱いに注意が必要といった違いもあります。







光造形3Dプリンターの造形方式


光造形3Dプリンターは、液体樹脂に光を照射して硬化させることで立体物を造形する方式です。


光の当て方(露光方式)によって、「SLA方式(レーザー方式)」と「面露光方式(吊り下げ式光造形方式・LCD方式)」に大きく分類され、それぞれ造形速度・精度・コストに違いがあります。


用途や求める品質に応じて、適切な方式を選定することが重要です。







  • SLA方式(レーザー方式)


    UVレーザーを照射し、描画して硬化させる方式です。


    産業用のSLA方式は、大型の造形品を一体で製作できる点も特長です。




    SLA方式(レーザー方式)




吊り下げ式光造形方式(プロジェクター方式)





  • プロジェクターで面全体を一括照射する方式です。


    レーザーによって一筆書きで描画するSLA方式と比較して、造形スピードが速い点が大きな特長です。また、高いXY解像度を持つため、微細形状やエッジの再現性に優れています。




    吊り下げ式光造形方式(プロジェクター方式)





LCD方式(マスク方式)


液晶パネルをマスクとして使用し、UV光を透過させて硬化させる方式です。


比較的低コストで導入しやすいのが特長です。


一方で、LCDパネルは紫外線や熱の影響で劣化するため定期的な交換が必要となり、長期的にはランニングコストに影響する点には注意が必要です。




方式ごとの違い


方式ごとに特徴は異なり、用途に応じた選定が重要です。





  • SLA:大型造形に対応

  • 吊り下げ式光造形方式(プロジェクター):高速・微細形状の再現性

  • LCD:低コスト・導入しやすい




なお、精度は材料特性だけでなく、露光方式や装置構造の影響を大きく受ける点も重要なポイントです。


また、同じ方式であっても装置性能や設定条件によって仕上がりは変わるため、実際の用途に応じた検証が重要です。






光造形3Dプリンターの用途


光造形3Dプリンターは、高精細な表現力と滑らかな表面品質を活かし、さまざまな用途で活用されています。


主な用途は以下の通りです。





  • 製品試作(デザイン確認)

    外観や形状の確認に適しており、最終製品に近い品質での試作が可能です。



  • 医療・歯科モデル

    高い精度が求められる分野で、模型やガイドの製作に使用されます。また、マウスピース製作時の型としても使われています。



  • 意匠モデルや展示用モデル

    表面品質が高く、塗装との相性も良いため、外観重視のモデル制作に適しています。


    特に製造業においては、試作スピードの向上と品質確認の精度向上に貢献し、開発リードタイムの短縮に寄与します。



これらの用途においては、求められる強度や耐熱性、外観品質に応じて適切なレジンを選定することが重要です。






レジンの種類と特徴(用途別に解説)


レジンは用途や求められる性能に応じて、さまざまな種類が存在します。


大きくは「用途・性能別」「取り扱い・運用特性別」「産業用途向け高機能材料」に分類され、それぞれ特徴や適した用途が異なります。



用途・性能別レジン(メイン分類)


スタンダードレジン(汎用)


扱いやすく、性能バランスの良い一般的なレジンです。


外観確認用モデルや形状確認、簡易試作に適しています。



ABSライクレジン(高強度)


ABS樹脂に近い強度・靭性を持ち、比較的衝撃に強いレジンです。


機能確認やはめ合い検証に適しており、実用部品に近い評価が可能です。



SL7810
Accura Xtreme



透明レジン


造形後に高い透明感が得られるレジンで、内部構造の確認や、液体の流れを見る試作、外観サンプルやデザイン検証などに用いられます。


研磨や表面処理を行うことで、よりクリアな仕上がりが可能です。


一方で、用途や材料の種類によって強度や耐熱性は異なるため、見た目だけでなく、使用目的に応じた選定が重要です。



Tough Clear
SL7870



高機能レジン


高剛性・高耐久・高寸法安定性など、機械特性を重視したレジンです。


機能試作や実使用を想定した部品検証に用いられます。



PRO-BLK10
Rigid White




キャストレジン(鋳造用)


焼成時に灰分(残留物)が極めて少なく、金属鋳造用の原型として使用されるレジンです。


ジュエリーや精密部品の分野で活用されています。



機能特化レジン(耐熱・柔軟など)


耐熱性や柔軟性など、特定の機能に特化したレジンです。


耐熱レジンは高温環境下での使用や評価に、柔軟レジンはゴムのような弾性が求められる用途に適しています。



HI TEMP 300-AMB
RUBBER-65A BLK











































種類 特徴 主な用途
スタンダードレジン バランスが良く扱いやすい 外観確認、簡易試作
ABSライクレジン 強度・靭性が高い 機能試作、はめ合い検証
透明レジン 透明度の高いレジン 内部構造、流路の確認
高機能レジン 機械特性を重視 機能試作、実使用
キャストレジン 灰分が少ない 鋳造原型(ロストワックス)
耐熱レジン 高温環境に強い 金型試作、熱試験
柔軟レジン 弾性を持つ パッキン、クッション部品


取り扱い・運用特性別レジン


水洗いレジン(取り扱い性重視)


アルコールを使わず水で洗浄できるため、作業性に優れています。


初心者向け用途や簡易用途に適しています。



低臭気レジン


においを抑えたレジンで、作業環境への負担が少ないのが特徴です。


室内やオフィスでも扱いやすいですが、完全に無臭ではなく換気は必要です。



高速硬化レジン


UVへの反応性が高く、短時間で硬化するレジンです。


造形時間を短縮できる反面、条件設定によっては寸法精度や表面品質に影響が出る場合があります。























種類 特徴 メリット
水洗いレジン 水で洗浄可能 アルコール不要で扱いやすい
低臭気レジン においが少ない 作業環境の負担軽減
高速硬化レジン 硬化が速い 造形時間の短縮


レジンは種類ごとに特性が大きく異なるため、用途や造形方式、運用条件に応じた適切な選定が重要です。






レジンの選び方|失敗しない3つのポイント


前章で紹介した通り、レジンにはさまざまな種類があり、それぞれ特性が異なります。


ここでは、失敗しないための3つのポイントを解説します。



用途で選ぶ


外観確認なのか、強度や耐熱性が必要なのかによって最適なレジンは大きく異なります。


たとえば、デザイン確認用途であれば高精細な標準レジンで十分ですが、機構検証や治具用途ではABSライクや耐熱レジンなど、機械特性を重視した材料が必要になります。


「最終的に何を検証・実現したいのか」を明確にすることが、適切な材料選定の第一歩です。



方式との相性で選ぶ


光造形では、SLA(レーザー方式)や面露光方式(吊り下げ式光造形・LCD)など、造形方式によって使用できる材料や仕上がり特性が異なります。


例えば、SLAは較的大型の造形が可能なため、注型マスターや可視化モデルに適している一方、面露光方式は高速造形や微細形状の再現に強みがあります。


また、同じ材料特性であっても、装置や造形方式の違いによって表面品質や寸法精度に差が生じるため、材料単体ではなく「方式や機種との組み合わせ」で検討することが重要です。



運用面で選ぶ


レジン選定では、造形後の後処理や運用コストも見落とせないポイントです。


光造形では、洗浄(アルコールなど)や二次硬化といった工程が必要となり、材料によっては取り扱いの手間や安全対策も変わります。


また、廃液処理や作業時間なども含めたトータルコストで評価することが重要です。


特に業務用途では、材料費だけでなく作業工数や運用負荷まで含めて判断することが求められます。



これらのポイントを踏まえて選定することで、品質とコストのバランスを最適化することができます。






光造形3Dプリンター導入前に知っておくべき注意点


安全性(臭気・換気)


レジンは光硬化性樹脂であり、未硬化状態では皮膚刺激や臭気を伴う場合があります。そのため、作業時は換気環境の確保や手袋・保護具の使用が推奨されます。


特にオフィスや屋内環境で使用する場合は、設置場所や作業導線も含めた環境設計が重要です。



後処理設備の必要性


光造形では、造形後に洗浄(未硬化樹脂の除去)や二次硬化(UV照射)が必要です。


そのため、洗浄装置やUV硬化装置の導入を前提に検討する必要があります。


また、これらの工程は品質にも直結するため、設備の導入だけでなく、作業手順の標準化や運用体制の整備も重要なポイントです。



内製と外注の判断


光造形は高精細な造形が可能な一方で、設備投資や運用負荷が発生します。


そのため、使用頻度や用途によっては外注の方がコスト効率に優れるケースもあります。


例えば、以下のような場合は外注サービスの活用が有効です。





  • 試作頻度が低い

  • 高精度な仕上がりが求められる

  • 複数の材料や造形方式を使い分けたい




外注を活用することで、初期投資を抑えつつ、用途に応じた最適な造形を実現できます。






まとめ


3Dプリンター用レジンは、高精細な表現力と優れた表面品質により、試作から実用部品まで対応可能な材料です。


一方で、後処理や運用面の負荷も無視できないため、用途や求める性能に応じた適切な選定が求められます。


特に業務用途では、材料単体の性能だけでなく、造形方式や後工程を含めたトータルでの最適化が重要です。


自社での運用が難しい場合は、外部サービスの活用も含めて検討することで、品質と効率のバランスを取りやすくなります。


目的に応じた最適な選定を行うことが、3Dプリンター活用の成果を最大化するポイントです。





よくある質問


レジンはどの3Dプリンターでも使えますか?


いいえ、レジンはすべての3Dプリンターで使用できるわけではありません。


光造形(SLA・吊り下げ式光造形・LCD)など、光硬化性樹脂に対応した3Dプリンターでのみ使用可能です。



レジンは安全に扱えますか?


適切な取り扱いを行えば安全に使用できますが、未硬化のレジンは皮膚刺激や臭気があるため注意が必要です。


作業時は手袋の着用や換気を行い、使用後は確実に洗浄・二次硬化処理を行うことが推奨されます。


特に業務用途では、作業環境の整備と安全対策の徹底が重要です。詳しくは、お使いになるメーカーの注意事項や作業手順をよく確認し、適切な方法で取り扱いください。



レジンは長期使用に耐えられますか?


レジンの種類によって耐久性は大きく異なります。


一般的なレジンは紫外線や湿度の影響を受けやすく、長期使用には適さない場合があります。


そのため、長期使用や機能部品用途では、耐久性や環境安定性に優れたレジンを選定することが重要です。



紫外線や湿度に対する安定性を向上させた材料も存在し、用途によっては長期使用に対応可能です。


例えば、SOLIZEオンライン3Dプリントでは、耐久性や環境安定性に優れた材料(PRO-BLK10Rigid Whiteなど)も取り扱っています。



用途に応じた材料選定や造形方式について相談したい場合は、専門サービスの活用も有効です。






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