このコラムでは、3Dプリンターの基礎知識を解説します。また、ビジネスシーンに適したオンライン3Dプリントサービスもご紹介します。
筆者情報
- SOLIZEオンライン3Dプリント お役立ち情報編集部
- SOLIZEの3Dプリンター事業に従事する社員が、3Dプリンターの基礎知識や活用方法、活用例など、3Dプリンターに関する情報を発信します。 ・Twitter ・facebook
- 1. 3Dプリンターの基礎知識
- 1-1. 3Dプリンターとは
- 1-2. 3Dプリンターでできること
- 1-3. 3Dプリンターの原理
- 2. 3Dプリンターの造形方式の種類
- 2-1. 光造形方式(SLA)
- 2-2. 熱溶解積層方式(FDM、FFF)
- 2-3. インクジェット方式(Material Jetting)
- 2-4. 粉末焼結方式(SLS)
- 2-5. 粉末固着方式(Binder Jetting)
- 3. 3Dプリンターを使用するメリット
- 3-1. 開発期間が短縮できる
- 3-2. コストの削減につながる
- 3-3. 複雑な形状の造形が可能になる
- 3-4. アイデアを形にしやすい
- 3-5. 余分な在庫を抱える必要がない
- 4. 3Dプリンターを活用する際の注意点
- 4-1. 大量生産には向かない
- 4-2. 強度不足の場合がある
- 5. 3Dプリンターを活用する流れ
- 5-1. 3Dデータの作成・編集
- 5-2. 3Dプリンターに対応するデータ形式に変換
- 5-3. 造形条件の設定
- 5-4. 3Dプリント
- 5-5. 造形物の後処理
- 6. オンラインで完結する3Dプリンターのサービスがおすすめ
1. 3Dプリンターの基礎知識
1-1. 3Dプリンターとは
近年のビジネスシーンでは、多様な業界で3Dプリントの技術が活用され、注目を集めています。たとえば自動車業界では、修理部品・オプションパーツ・カスタマイズ部品の生産などで3Dプリンターが活躍しています。ほかにも、医療業界では人工関節の製造や臓器模型の造形、建築業界では建築模型の製作などに3Dプリンターが使われている状況です。
1-2. 3Dプリンターでできること
ビジネスシーンにおける3Dプリンターの活用事例は、以下のページにてご覧いただけます。
株式会社グラスファクトリー:導入事例 | 3Dプリンター販売・保守 | SOLIZE
株式会社計測工業:導入事例 | 3Dプリンター販売・保守 | SOLIZE
PEBLWEAR:導入事例 | 3Dプリント最終製品製作 | SOLIZE
株式会社サンリーブ:導入事例 | 3Dプリント最終製品製作 | SOLIZE
OUI Inc.:導入事例 | 3Dプリント最終製品製作 | SOLIZE
1-3. 3Dプリンターの原理
3Dプリンターの用途別・業界別の導入事例は、以下のページにてご覧いただけます。
3Dプリンター活用術|用途や業界別の導入事例を紹介
2. 3Dプリンターの造形方式の種類
2-1. 光造形方式(SLA)
メリット
光造形方式は精度が高く、複雑で繊細な造形に適しています。細部のデザインまできれいに再現したい場合におすすめです。仕上がりの表面はなめらかで、つやがあります。また、DLP方式の場合は広範囲に紫外線を照射するので造形速度が速く、生産性の高さもメリットです。
デメリット
光造形方式は、造形後の後処理でサポート材(造形物を支える材料)を除去する工程が不可欠です。また、完成した造形物はほかの方式に比べて太陽光や紫外線に比較的弱い傾向があります。レーザー方式の場合は造形に時間がかかり、DLP方式の場合は照射範囲を広げすぎると解像度や寸法精度が低くなりやすいことがデメリットです。
2-2. 熱溶解積層方式(FDM、FFF)
メリット
熱溶解積層方式は一般的に用いられる3Dプリントの方式であり、3Dプリンターの本体や材料が安価な傾向にあります。初めての方でも利用しやすい家庭用の機種も販売されており、容易に入手しやすい点は大きなメリットといえるでしょう。コストを抑えながら3Dプリンターを導入する際におすすめです。
デメリット
熱溶解積層方式は、3Dデータのとおりに造形する「寸法精度」が低い傾向にあります。そのため、精密な部品のような高い精度が求められるケースには適していません。また、ノズルから材料を押し出して造形する方式のため、積層方向に対する強度が弱い傾向にあり、かつ表面の仕上がりが粗くなりがちです。
2-3. インクジェット方式(Material Jetting)
メリット
インクジェット方式は、きめ細やかで高精細な造形を実現できます。積層痕が目立ちにくく、なめらかな仕上がりがメリットです。3Dプリンターの機種により、フルカラーでの造形も可能なため、塗装にかかる時間と手間を削減できます。デザイン性が重視される造形物に適した方式です。
デメリット
インクジェット方式の造形物は比較的強度が低く、強い力を加えると壊れやすいのがデメリットです。また、材料により耐候性が低かったり、太陽光や紫外線に弱かったりする点にも注意しなければなりません。強度を求められるケースや、長期的に使用するケースには適さない可能性があります。
2-4. 粉末焼結方式(SLS)
メリット
粉末焼結方式の造形物は、比較的強度があるのがメリットです。ほかの方式と比べて、積層方向の強度も保ちやすい傾向にあります。高精細で複雑な形状の造形が可能で、最終製品や鋳型の製作にも適した方式です。
デメリット
粉末焼結方式は、3Dプリンターの導入コストの高さがデメリットです。粉末材料を扱うため、複数の付帯設備が必要となるほか、設置スペースも確保しなければなりません。また、造形物は表面がざらついた仕上がりになるため、なめらかな質感にするには後処理が必要です。
2-5. 粉末固着方式(Binder Jetting)
メリット
粉末固着方式は、造形のスピードが比較的速いのがメリットです。また、フルカラーで造形すれば、着色の時間と手間を省けます。複雑な色わけが必要なフィギュアや建築モデルなどにも適しています。材料の石膏が安価なのもメリットです。
デメリット
粉末固着方式に用いる材料の石膏は、衝撃に弱く壊れやすいのがデメリットです。仕上げに硬化剤で強度を高める方法もあるものの、基本的に造形物の強度が低いことに留意しましょう。また、造形物は表面がざらついた仕上がりになり、色の鮮やかさはインクジェット方式と比べて劣ります。
3Dプリントの5つの方式について、詳しくは以下のコンテンツで解説しています。複数の素材を比較検討する際に役立ちます。
3Dプリントの代表的な5つの方式の特徴を解説
3. 3Dプリンターを使用するメリット
3-1. 開発期間が短縮できる
3-2. コストの削減につながる
3-3. 複雑な形状の造形が可能になる
3-4. アイデアを形にしやすい
3-5. 余分な在庫を抱える必要がない
4. 3Dプリンターを活用する際の注意点
4-1. 大量生産には向かない
4-2. 強度不足の場合がある
5. 3Dプリンターを活用する流れ
5-1. Step1.3Dデータの作成・編集
5-2. Step2.3Dプリンターに対応するデータ形式に変換
5-3. Step3.造形条件の設定
5-4. Step4.3Dプリント
5-5. Step5.造形物の後処理
3Dプリンターの活用方法や導入の際の注意点について、詳しくは以下の関連コンテンツで解説しています。
3Dプリンターの使い方 ~加工手順や導入の注意点を解説~
6. オンラインで完結する3Dプリンターのサービスがおすすめ
「SOLIZEオンライン3Dプリント出力サービス」では、3Dデータをアップロードするだけで、無料にてお見積もりが可能です。3Dプリント自動評価システムを搭載しているため、3Dビューアで製造性の解析を行い、プリントが可能か事前にチェックしていただけます。発注フローはすべてWebで完結し、最速3日後に発送するので、スピーディーな製作を実現できます。
SOLIZEは、1990年に日本で初めて3Dプリンターを導入し、試作品製作サービスを始めた企業です。国内最大級のキャパシティーで、自社保有のハイエンド樹脂3Dプリンターでの製作を承ります。長年にわたる3Dプリンターの運用実績、販売や運用サポートの経験から豊富な知見を有しており、お客さまの3Dプリンティングを手厚くサポートします。
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- SOLIZEオンライン3Dプリント お役立ち情報編集部
- SOLIZEの3Dプリンター事業に従事する社員が、3Dプリンターの基礎知識や活用方法、活用例など、3Dプリンターに関する情報を発信します。