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3Dプリントサービスの費用相場と業者選定や発注費用を抑えるコツ

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3Dプリントは、今や幅広い業界で活用され、製造コストを抑えるツールとしても注目されています。試作品を製作する場合など、外部の3Dプリントサービスの利用を検討したいところですが、費用が気になります。本コラムでは、外部の3Dプリントサービスを利用する際の費用相場や価格に影響を与える要素、発注費用を抑えるコツや業者選定のポイントを解説します。


1. 3Dプリンターの自社導入と3Dプリントサービスの利用はどちらがおすすめか

3Dプリントにより試作品などを製作する際は、「自社に3Dプリンターを導入する」か「外部の3Dプリントサービスを利用する」のどちらか、もしくは併用するのが一般的です。ここでは、それぞれのメリットとデメリットを整理します。

1-1. 3Dプリンターを自社導入することのメリット・デメリット

3Dプリンターを自社に導入・活用する方法を選択すると、社員の発想や会議でまとまったアイデアなどを即座に形にできます。とりわけ試作品は、何度も作り直さなければならないケースも少なくありません。そのような際にすぐさま具現化でき、修正などを素早くかつ繰り返し行えるでしょう。これらは、3Dプリンターの自社導入により、いつでも自由に使えるからこそ得られるメリットです。また、外注する場合と比較して、発注や打ち合わせの作業や、完成後の配送などにかかる時間が不要な点もメリットです。

一方で、3Dプリンターの導入費用がかかる点は大きなデメリットです。業務用の3Dプリンターはサイズが大きく、決して安価ではありません。3Dプリンター本体はもちろん、材料なども購入しなければならず、導入と運用には大きな初期費用がかかります。自社の製品に適した装置の選別は容易ではなく、選択を間違えると十分な費用対効果が得られません。また、材料や装置周辺の消耗品のランニングコストにも注意が必要です。セットアップやメンテナンスに手間がかかり、特にメンテナンスにはコストもかかります。十分な設置場所を用意しなければならず、大がかりな準備が必要となる点も無視できません。
また、装置により材料交換が難しかったり、導入した3Dプリンターにより使用可能な材料に制約があったりするので、注意が必要です。
試作開発を自由に繰り返したい企業や、コンスタントに製品を製造する予定がある企業は3Dプリンターの自社導入を検討してもよいでしょう。しかし、それ以外の場合は、慎重に判断する必要があります。

1-2.  外部の3Dプリントサービスを利用することのメリット・デメリット

3Dプリントサービスとは、専門業者が3Dプリントによる造形を代行し、依頼主である企業の望む形や素材で作り上げた製品(試作品)を発送してくれるサービスです。依頼する側は3Dデータを提出し、料金を支払うだけで製品を入手できます。試作品のみや生産数の少ない製品を作る場合など、3Dプリンターの稼働率が低い場合は、専門業者に外注すると導入費用やランニングコスト、人件費などが不要なためコストを抑えられる可能性が高いでしょう。また、自社で3Dプリンターを導入している場合でも、自社で取り扱っていない材料や方式の3Dプリンターを選択でき、専門知識が豊富な業者に依頼することで、3Dプリンターに関する知識があまりなくても作りたいものが作れるというメリットもあります。

装置購入やメンテナンスなどに費用がかからず、低コストで3Dプリント製品を入手できる点が、外部の3Dプリントサービスを利用する大きなメリットです。必要な時に利用でき、環境整備などが不要なため手間もかかりません。一方で、使える装置や材料などが、業者次第となる点には注意が必要です。発注先の業者選定を間違えると、細かな形状や理想の風合いなどが要望通りにならない可能性があります。発注から完成品が到着するまでに、ある程度の時間を要する場合がある点もデメリットです。

3Dプリントによる試作品や製品を作る頻度が低い場合や、3Dプリントでの製作を一度試してみたい場合は、外部の3Dプリントサービスの利用を検討する価値があるでしょう。3Dプリンターの導入や製造にかかる手間を省きたい企業にとっても、得られるメリットは多々あります。

2.  外部の3Dプリントサービスを利用する場合の費用相場

外部の3Dプリントサービスを利用する場合の費用相場は、使用する材料や製品の大きさなどにもよりますが、一般的に数千円から数十万円程度です。ただし、依頼先や依頼内容により費用が大きく変動するため、一概にはいえません。依頼内容により、数百万円程度の費用がかかるケースもあります。事前に丁寧に見積りを確認し、必要に応じて各サービスの比較検討を行わなければなりません。

3.  3Dプリントサービスの費用に影響する3つの要素

3Dプリントサービスの費用に影響を与える要素は、おもに3つです。ここでは、それぞれの要素について解説します。なお、費用は外注先により異なるため、参考程度にとどめておきましょう。

3-1.  用途

3Dプリントは、さまざまな分野や用途で活用されている技術です。用途により造形物のサイズや形状が異なり、これらが費用に影響します。たとえば、ナイロン樹脂を使用してスマートフォンのケースを製作する場合は、形状にもよりますが、数千円程度から製作可能です。展示会などに用いる製品模型を製作する場合は、見栄えが重要となる場合が多いためさまざまな材料を使用し、磨きや塗装、組み立てを実施するため、数十万円から数百万円以上かかる場合もあります。用途が初期段階の試作品で、単に形状が確認できればよい場合は、比較的安価で製作できます。性能評価試験用の試作品の場合は、ある程度の強度や寸法精度が求められるため、高めの費用がかかります。さらに最終製品の場合は、精度の高さや安全性、手触り、色などが求められるため、より高めの費用がかかる傾向にありますが、ロット数により交渉可能な場合もあります。

上記費用は、あくまでも目安です。用途に応じて費用が変動する点を認識しながら、3Dプリントサービスの利用を検討する必要があることを押さえておきましょう。

3-2.  使用する材料・素材

3Dプリントには、さまざまな素材が用いられます。使用する材料や素材が、費用に影響します。材料そのものの価格が異なることはもちろん、3Dプリントは材料により造形方式が変わることが珍しくなく、それぞれの造形方式で使用される装置が異なる点も、費用に影響を与える要素となっています。さらに、材料や方式により異なる加工の難易度も、費用に影響を与える要素の1つです。

ただし、たとえば同じ造形方式で「PP」と「PA」を比較した場合、「PP」の方が安い傾向にありますが、価格のみで選定すると必要な物性が得られない場合があるので、注意が必要です。

3-3.  造形サイズ

大きなサイズの製品を3Dプリントで製作する場合、用いる装置は大きく、材料の量も多くなるため、造形サイズが費用に影響します。基本的には、サイズが大きくなるほど費用が高くなると認識しておきましょう。

たとえばある3Dプリントサービスでは、「ABSライク」と呼ばれる材料を用いて小さな部品の試作品を製作する場合、1個あたり数千円程度です。このサービスで、同じ材料を用いて大型の造形物を製造する場合は、1個あたり数万円程度です。サービスと材料は同じでも、大きさが異なると、これだけの価格差が生じます。

4.  3Dプリントサービスでかかる費用の内訳

3Dプリントサービスを利用する際には、3Dプリント費用のほかにもさまざまな費用が発生します。利用するサービスにより違いはありますが、トータルの費用は「3Dデータ作成費用(モデリング費用)」「3Dプリント費用(材料費と造形時間)」「オプション費用(サポート除去、磨き、塗装など)」で決定されるのが一般的です。

3Dプリントでは、あらかじめ用意された3Dデータをもとに試作品などが作られます。3Dプリント用のデータ作成を併せて依頼する場合にかかるのが、3Dデータ作成費用です。3Dプリント費用は、その名の通り、3Dデータをもとに造形物を作り上げるための費用です。基本的には使用する素材のコストや造形時間などが含まれており、3Dプリントサービスでかかる費用の大部分を占めます。オプション費用とは、光造形のサポート材除去や磨き、塗装など、各オプションが必要な場合に発生する費用です。サービスにより、一部作業が3Dプリント費用に含まれているケースもあります。見積りの際には費用の内訳を確認しておきましょう。

5.  3Dプリントサービスの発注費用を抑えるコツ

3Dプリントサービスを利用して試作品や最終製品を製作する場合、工夫次第で費用を抑えられる可能性があります。ここでは、3Dプリントサービスの発注費用を抑えるコツを紹介します。

5-1.  安価な材料・素材を選定する

費用をできる限り抑えるには、3Dプリント費用を左右する要素の1つである材料や素材の選定が重要です。安さを重視するのであれば、「ナイロン樹脂」などの素材を選ぶとよいでしょう。産業用3Dプリント素材の中で、安価な点がメリットです。頑丈で耐久性が高い点もメリットですが、造形方式の特性により、質感がざらついている点はデメリットです。また「PA12(ナイロン)」は、自動車部品の試作に使われるほど強度のある材料です。複雑な形状を再現可能なため、試作品レベルであれば十分有用な材料となるでしょう。
材料や素材次第で、3Dプリント費用を抑えられますが、用途に応じて慎重に選定しなければなりません。最終製品や機能性を重視する試作品の場合は、強度や硬度、質感に配慮しつつ素材を選定する必要があります。そのうえで極力安価な材料を選定すると、トータルの費用を抑えられるでしょう。

5-2.  用途と発注数量に合った造形方式を選定する

製作するパーツの用途や数量に応じて造形方法を選択することも重要です。たとえば製作するパーツの数が多い場合は、一度に多数の造形ができ、サポート除去が不要な粉末造形やマルチジェットフュージョン(MJF)を選定すると、1パーツあたりの単価を大幅に下げられる場合があります。逆に数量が少なく、形状の確認だけでよい場合などは、材料単価が安い材料押出方式(FDM)を選定すると、費用を抑えられる可能性があります。

5-3.  発注データのデザインを工夫する

3Dプリントは、プリント部分が増えるほど費用が上がるのが一般的です。製品の表面積を減らすことで費用を抑えられる可能性があります。また、塊となっているような形状の場合は中身をくり抜いて肉抜きを行い、製品の中身を空洞にすることで、費用を抑える効果が期待できるでしょう。中身は空洞でも、外からはわかりません。また空洞化することでヒケや反りを抑制できるというメリットもあります。

ただし、形状やサイズにより、中身を空洞化することで強度が下がる場合があります。そのため強度を確保したい場合は、空洞化した部分に補強リブを付け足すなどして強度を補強する必要があります。また、中身を空洞化する場合は、中にある余計な樹脂を取り除くための穴を開けておく必要があるので、データ作成の際には十分に注意しましょう。3Dデータ作成のポイントは、こちらで解説しています。

5-4.  1つのデータに複数シェルをまとめてプリントする

複数のモデルを3Dプリントで製作する場合、1つのデータに複数のシェルを保存し、一度でプリントできるようにすると、費用を抑えられる可能性があります。シェルとは、1つのデータファイルに入っているモデルの数を指す表現です。たとえば4つのモデルを3Dプリントする場合、1ファイルにつき1モデルでデータを作成すると4回のプリントが必要となります。しかし、1ファイルにつき4モデルでデータを作成すれば1回のプリントで済みます。

6.  3Dプリントサービスの業者選定のポイント

3Dプリントサービスを提供している業者は少なくありません。ここでは、外部の3Dプリントサービスを利用する際に失敗しないための業者選定のポイントを紹介します。

6-1.  サポート・フォロー体制

データの作り方や材料の事前相談、依頼品の細かな要望を伝える際やトラブルの発生時などに、丁寧かつ専門家の視点を交えた対応が可能か、事前に確認することが重要です。結果的に製品の品質を大きく左右します。また、速やかなコミュニケーションが図れるかどうかが納期に関わります。特に、レスポンスのスピードは重要なチェックポイントとなるでしょう。造形物への保証や失敗時のサポート、オプションサービスの有無の確認も不可欠です。これらのサポートやフォロー体制が十分に整っている3Dプリントサービスを利用しましょう。

6-2.  納期・発送スピード

納期や発送スピードは、利用するサービスや作りたいものによって変わります。試作品など、場合により短期間での納品を望むケースもあるでしょう。発注前に、期限までに間に合うかどうかの確認が不可欠です。サービスや発注内容により、10営業日を超える期間が必要となるケースもあります。取引先への納品、展示会への出品など、期限までに十分な時間がない場合は、特に注意が必要です。

6-3.  材料・素材のラインアップ

3Dプリントで使用される材料は、PP、ゴムライク、ABSライク、PA12、アクリルなど多種多様です。材料ごとに特徴やメリット・デメリットが異なるので、用途や形状に合わせて選定しなければなりません。取り扱っている材料が希望の用途や必要な物性を満たしているかを確認しましょう。どの材料がよいのか悩む場合は、相談に乗ってくれたり、サンプルを送ってくれたりする業者を選定することが得策です。

7.  SOLIZEオンライン3Dプリントにおまかせ

3Dプリントサービスの利用により、3Dプリンターを導入する場合の初期費用や手間を省くことができます。ただし、用途や材料、サイズなどにより、費用が変動する点は押さえておかなければなりません。費用や取り扱い材料、納期などを踏まえ、業者を選定する必要があります。

SOLIZEは、日本ではじめて3Dプリンターを導入し、1990年から3Dプリントサービスを提供しています。「SOLIZEオンライン3Dプリント」は、見積りから製造性の確認、発注までのプロセスがすべてオンラインで完結します。国内最大級となる30台を超える自社保有のハイエンド樹脂3Dプリンターで、条件次第では最速3日後発送のスピード生産を実現している点も大きな特長です。発注前に、不明点や要望などの相談を受け付けており、製造前データの確認などのサポート体制も充実しています。また、2024年3月時点で12種類の造形材料をラインアップしており、要望に沿って選択可能です。

初めて3Dプリントサービスを利用する場合は、3Dプリンティングの長年にわたる実績がありサポート体制が充実している「SOLIZEオンライン3Dプリント」の利用をぜひご検討ください。



筆者情報



  • SOLIZEオンライン3Dプリント お役立ち情報編集部


  • SOLIZEの3Dプリンター事業に従事する社員が、3Dプリンターの基礎知識や活用方法、活用例など、3Dプリンターに関する情報を発信します。





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