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3Dプリンターでの試作品の費用および価格以外のチェックポイントとは

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商品を製造・販売する前には、アイデアを形にする作業が欠かせません。そのような際は、試作品を製作し、評価試験を実施するケースが大半です。素材や形状によりますが、3Dプリンターによる試作品製作も一つの方法となるでしょう。とはいえ、試作品の製作には費用がかかります。本コラムでは、試作品の費用の決まり方や価格帯の目安などについて解説します。


1. 3Dプリンターで試作品を製作する時の相場

3Dプリンターによる試作品製作の費用の相場は、一概には言えません。3Dプリンターで使用可能な素材はさまざまです。製品の特性により、適切な素材があります。また、形状や大きさ、要求性能なども一様ではありません。試作品製作にかかる費用は、こうした各要素により変動するため、素材(材料)、サイズ、造形方式などの基準を決めて比較するのがよいでしょう。
同じような試作品であっても、納期や造形方法により価格が変わります。耐久性のある素材や、緻密・微細な再現が可能な造形方法を用いると価格が高くなるのが一般的です。また、短納期を求める場合は、費用が高くなる傾向です。それらを踏まえたうえで、小さなものは数万円程度から試作品の製作が可能です。大きなものは数十万円以上の費用がかかる場合があります。試作品は小ロットで製作するケースが多いため、量産する場合と比べて1個あたりの価格が高くなる点も押さえておきましょう。

2. 3Dプリンターでの試作品の製作費用

3Dプリンターによる試作品製作の費用は、おもに素材やサイズ・造形時間・後工程の有無や難易度によって決まります。ここでは、それぞれの要素と費用の関係について解説します。

2-1. 素材

「3Dプリンターで用いられる主流の素材である樹脂は、比較的安価に試作品を製作できます。樹脂にはさまざまな種類があり、それにより価格が変わります。たとえば熱に強いなど、より優れた機能を持つエンジニアリングプラスチック(通称エンプラ)は、試作品の価格が高くなる傾向があります。素材そのものの価格が高いのはもちろん、造形のための装置も高額であるためです。金属も同様です。3Dプリンターでは金属の試作品も製作可能ですが、金属3Dプリンターは装置・素材の価格が高いだけではなく二次処理の工程が必要なので、金属3Dプリンターを保有する会社は限られています。その結果、金属素材での試作品製作は高額になりやすいでしょう。

試作品とはいえ、そのでき栄えによっては本製品に大きく影響する場合があります。価格が高くなる素材であっても、本製品の仕様やイメージから大きく乖離しないように、最初から素材に注目しながら選択していくことが重要です。


2-2. サイズ

サイズが大きいほど、3Dプリンターでの試作品製作にかかる費用が高くなるのが一般的です。使用する素材の量が多いこともありますが、造形時間が長く、また3Dプリンターでは大型の造形が難しいことも、大きな理由の一つでしょう。大型の試作品製作は寸法精度が下がる可能性があり、また、反りが発生するなど形状の維持も不安定になりがちです。後者は特に樹脂素材を用いた場合で、細かったり薄かったりする箇所や、逆に塊など樹脂量が多い箇所がある造形物に発生しやすいリスクとなります。一体で造形できない場合には分割して、後から接着するなどの工程も必要になります。

1辺が30cmを超えるような大型の造形が可能な3Dプリンターは機種が限られておりかつ高額であるため、それを保有する会社が限られている点も、費用が高くなる理由の一つです。さらに、大きな試作品は、製作に失敗すると時間やコストのロスが大きい点も無視はできません。一定のサイズを超えると途端に価格が跳ね上がるケースがある点は押さえておきましょう。

3. 造形方式別 試作品製作時の価格帯の目安

造形方式により、3Dプリンターでの試作品製作の価格は変動します。ここでは、各造形方式と価格帯の違いについて解説します。

3-1. 熱溶解積層方式(FDM法)

熱溶解積層方式による試作品製作の価格は、3Dプリンターの造形方式の中では比較的安価となっています。この造形方式の3Dプリンター自体が安価である点が、その理由です。安価であることに加え、さまざまな素材で試作品を製作できる点もメリットといえるでしょう。熱溶解積層方式は、樹脂素材を熱で溶かし、ノズルから押し出して形状を作り上げる方式です。安価とはいえ、製造業の試作品製作に広く用いられているため、価格を重視する際や、形状確認のための最初の試作品を製作する際に、有効な選択肢の一つとなります。サポート材を必要とする方式のため、複雑な形状の試作品製作の際は注意が必要です。また、材料を溶かして積層するため、縦方向の強度が弱くなりやすい点や表面の積層跡が目立ちやすい点に留意しておく必要があります。

3-2. 光造形方式(SLA法)

光造形方式は、熱溶解積層方式と比べると高価なケースが多いものの、3Dプリンターの造形方式の中では比較的安価といえるでしょう。ただ、光造形方式を用いた3Dプリンターは、機種ごとに価格が大幅に異なります。業務用のハイエンドモデルは数千万円と、非常に高額であることは珍しくありません。また、吊り下げ方式の光造形(代表例:Figure 4)は、ワークサイズは小さいものの装置価格は比較的安価で、高スペック材料を使用することが可能です。試作品製作の依頼先により、3Dプリンターの価格が見積りに反映される可能性があるので、事前の確認が必要です。

光造形方式は、光硬化性樹脂にレーザーを照射して造形する方式です。仕上がりが滑らかで、曲線などの複雑な形状を実現できる点がメリットです。また、透明材料を使用できるため、可視化モデルなどに適しています。一方で、太陽光により劣化しやすく、長期間の使用には適さないでしょう。ただし、最近は耐候性のある材料を使用できる機種が出始めているので、長期利用を検討されている方は、そのような材料を選ぶことも視野に入れてみましょう。

3-3. インクジェット方式

インクジェット方式による試作品製作の価格は、3Dプリンターの造形方式の中では比較的安価といえます。光造形方式と同程度とみておくとよいでしょう。3Dプリンターの価格がモデルによって大きく変わる点も、光造形方式と同様です。やはり、試作品製作の依頼先によって価格が異なるケースがあるため確認が必要です。

インクジェット方式では、液状の樹脂などを噴射し、紫外線を照射することで造形物を作り上げます。積層ピッチが細かいため、高精度かつ細微な造形ができる点がメリットです。また、カラフルな仕上がりとすることが可能な機種もあります。色味の確認が重要な場面には利用の価値が高まるでしょう。

3-4. 粉末固着方式(バインダージェット方式)

粉末固着方式による試作品製作の価格は、3Dプリンターの造形方式の中では中間程度でしょう。粉末固着方式は造形時間が短いため、すぐに試作品が必要な際に適しています。一方で、強度が低い点や微細形状の再現が難しい点がデメリットです。強度よりも、まずは試作品で形状を確認したい商品開発の初期段階で、利用する価値が高まります。
粉末固着方式は、石膏の粉末を結合剤で固めて積層する方式です。フルカラーで造形できるため、試作品で色の確認をしたい場合にも利用できるでしょう。

3-5. 粉末焼結方式(PBF/SLS/MJF)

粉末焼結方式の3Dプリンターは非常に高額なため、製品の製作依頼時の価格は高くなる傾向にあります。とりわけ強度を重視する製品開発に用いられる方式であり、自動車の耐久試験や性能評価試験に用いられることもあります。また、試作品のみならず最終製品として使われる事例も出てきています。粉末焼結方式は、粉末素材にレーザーを照射し、焼結させることで造形する方式です。熱溶解積層方式などでは必要なサポート材が不要な点はメリットですが、粉末状の材料を用いるため、表面がざらざらしやすい点には注意が必要です。

4. 試作品の製作依頼と3Dプリンターの購入はどちらがよいのか

3Dプリンターの活用が初めての場合や、必要に応じて3Dプリンターを活用したい場合は、外部の3Dプリントサービスを利用するのがよいでしょう。通常、試作品は毎日のように製作するものではありません。不定期に製作ニーズが発生するものは、外部の3Dプリントサービスを利用するのが一般的です。素材の選択の幅が広く、リーズナブルに試作品を製作できます。

3Dプリンターには数万円で購入できる安価なものもありますが、工業製品の試作に使える3Dプリンターとなると、装置だけでも数百万円から、高性能のものだと数千万円と非常に高額です。また、素材の購入やメンテナンスなどのランニングコスト、3Dプリンターを設置する十分なスペース確保にかかるコストが発生します。3Dプリンターの導入を検討する場合には、使用頻度や用途、設置できる環境、運用体制などを吟味する必要があり、3Dプリンターを熟知した企業に導入の相談をするとよいでしょう。

5. 費用以外もチェック 3Dプリントサービスを選ぶポイント

3Dプリントサービスを選ぶ際は、費用以外にチェックしておきたいポイントがあります。ここでは、おもな6つのチェックポイントについて解説します。

5-1. 簡単に見積りができる

見積りのしやすさは、大変重要なポイントです。特に、オンラインで見積依頼から発注まで完結できる3Dプリントサービスを利用すると、試作品製作の手続きがスムーズにできます。3DCADをアップロードするだけで自動で見積りができる3Dプリントサービスも、大変便利です。見積り依頼から回答までの間に数日かかったり、担当者とのやり取りが発生すると、最終的な発注まで時間がかかってしまうため、見積りのしやすさは無視できません。

5-2. 対応可能な素材が多い

取り扱っている素材の種類が豊富である点も重要です。試作品とはいえ、目的に合った素材を選択し、製作しなければなりません。素材にはABSライクやナイロン(PA)、ポリプロピレン(PP)、アクリルなどがありますが、対応可能な素材の種類が多いほどニーズに適した試作品が製作しやすくなります。本製品の製作にも関わるため、素材の選択肢が多い3Dプリントサービスを選びましょう。

5-3. 自社のデータのファイル形式に対応している

自社で作成した3Dデータで見積りを入手したり試作品の製作を依頼したりする場合は、自社のデータのファイル形式に対応している3Dプリントサービスを選ばなければなりません。3Dプリントのおもなファイル形式はSTLとOBJで、標準的な形式はSTLとなっています。これから試作品を3Dプリンターで製作しようと考えている場合は、STL形式の3Dデータを作成しておきましょう。より多くの選択肢の中から3Dプリントサービスを選べるようになります。

5-4. 寸法精度が十分である

目的に適した寸法精度で製作できるかの確認も欠かせません。試作品の目的により、必要な寸法精度は変わります。別の製品と試作品、あるいは試作品同士を合わせて、隙間の有無や程度などをチェックしたい場合は、寸法精度の高い試作品を製作する必要があるでしょう。ざっくりとした製品イメージを自社内で共有する目的などであれば、さほど高い寸法精度は必要ありません。寸法精度は、使用する3Dプリンターや素材により異なります。依頼前に各サービスが保有している3Dプリンターのスペックや品質保証体制、追加工の対応可否などから、目的に見合う寸法精度での試作品製作が可能かを確認しておきましょう。

5-5. 短納期に対応できる

素材や価格面でマッチしていれば、納期は短いに越したことはありません。試作品はアイデアの確認や社内でのイメージの共有、製品の成立性の確認や試験などに用いられるケースが多いでしょう。アイデアやイメージは早期に確認作業を済ませ、問題点の洗い出しや課題の潰し込みを行い、商品化までの期間を短くすることが重要です。急を要する試作品の製作であれば、なおさら納期の短い3Dプリントサービスを選択することが肝要です。納期は、見積りを取得する際に確認しておきます。3Dプリントサービスごとに異なりますが、10日以上かかることもあるため、未確認のまま発注しないように注意しましょう。

5-6. 必要なオプションサービス

3Dプリントサービスごとに用意されているオプションサービスは異なるため、確認と比較が必要です。3Dデータの作成や仕上げ加工、3D測定などが代表的なオプションサービスですが、すべての3Dプリントサービスで利用できるわけではありません。オプションが豊富なサービスが必ずしもよいわけではない点も押さえておきたいところです。試作品製作の際に利用したいオプションを取り扱っているかを確認しましょう。特に、3Dプリントサービスの利用がはじめての場合は、オプションサービスの確認は不可欠です。

6. 3Dプリントサービスを利用して試作品を製作するならSOLIZEオンライン3Dプリント

初めて3Dプリントサービスを利用する場合は、「SOLIZEオンライン3Dプリント」を選択するのが得策です。SOLIZEオンライン3Dプリントは、オンラインで気軽に、即時見積りが可能です。3Dプリント自動評価システムにより、3Dビューアで製造性を解析できます。対応している3Dデータは、STL形式です。全ページSSL採用のため、安全にアップロードできます。スピード生産にも対応しており、最短3日後の発送が可能です。12種類の造形材料に対応しているので、用途に適した試作品の製作が可能です。

3Dプリンターによる試作品製作の価格は、素材や造形方式、納期などにより変動します。自社で3Dプリンターを導入するのではなく、外部の3Dプリントサービスを利用することで、用途によって気軽に使いわけができ、専門知識を持つ経験豊富な担当者が対応するので品質面でも安心です。3Dプリントサービスを選択する際には、価格だけではなく取り扱い素材や納期、オプションサービスなどの確認が不可欠です。
3Dプリントサービスを利用して試作品を製作する際は、SOLIZEオンライン3Dプリントにて、ぜひ一度お見積りください。



筆者情報



  • SOLIZEオンライン3Dプリント お役立ち情報編集部


  • SOLIZEの3Dプリンター事業に従事する社員が、3Dプリンターの基礎知識や活用方法、活用例など、3Dプリンターに関する情報を発信します。





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