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3Dプリンターの後処理とは?工程一覧と方式別の手順を徹底解説

後加工・仕上げ

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3Dプリンターは「出力したら完成」ではありません。造形直後の部品にはサポート材や積層痕、未硬化の樹脂などが残っており、そのままでは見た目・強度・寸法精度が十分でないことが多いためです。この造形後の仕上げ工程が「後処理」で、最終的な品質を左右する重要なステップになります。

本記事では、3Dプリンターの後処理とは何かという基本から、工程の全体像、FDM・光造形・粉末造形・金属といった造形方式ごとの手順の違い、自分で行う場合の道具と注意点、そして外注するメリットまでを工程順に整理して解説します。個別テーマ(塗装・光造形の仕上げ・サポート材の扱いなど)は、より詳しい記事へのリンクもあわせて紹介します。




3Dプリンターの後処理とは


3Dプリンターの後処理とは、造形が完了した部品に対して行う仕上げ工程の総称です。具体的には、洗浄/粉末除去・二次硬化・サポート材の除去・バリ取り・研磨・表面処理・塗装などが含まれます。英語では「ポストプロセッシング(post-processing)」と呼ばれます。


造形直後の部品は、そのままでは表面がざらついていたり、支えとして付けたサポート材が残っていたりします。後処理は、こうした造形物を実用や展示に耐える状態へ仕上げるための工程です。どの工程が必要かは、造形方式・材料・用途によって変わります。



後処理が必要な理由


後処理が必要なのは、造形直後の部品が「未完成の状態」だからです。3Dプリンターは材料を一層ずつ積み重ねて形を作るため、次のような課題がどうしても残ります。




  • 表面に積層痕(レイヤーの段差)が残り、ざらつきや光の当たり方のムラが出る

  • オーバーハング(張り出し)を支えるためのサポート材が付いたままになっている

  • 光造形では表面に未硬化の液体樹脂が残り、べたつきや強度不足の原因になる

  • 粉末造形では余分な粉末が付着したままになっている

  • エッジ部分にバリ(不要な出っ張り)が生じることがある



これらを取り除き、整えることで、寸法精度・強度・外観・塗装のしやすさが向上します。造形物の表面が粗くなる原因やその対策については、3Dプリンターの造形物がガタガタになる原因と対策もあわせて参考にしてください。



「後処理」と「後加工」の違い


「後処理」と「後加工」は、ほぼ同じ意味で使われる言葉です。どちらも造形後に部品を仕上げる工程を指し、明確な線引きはありません。


強いて使い分けるなら、次のようなニュアンスで語られることがあります。




  • 後処理:洗浄・二次硬化・サポート除去など、造形物を「使える状態」に整える基本工程を含めた総称として使われることが多い

  • 後加工:研磨・切削・塗装・メッキなど、外観や機能をさらに高める「追加の加工」を指して使われることがある



本記事では、これらをまとめて「後処理」として扱い、工程全体を通して解説します。塗装や研磨といった個別の加工について詳しく知りたい場合は、後述の各工程のリンクからご確認ください。





3Dプリンターの後処理の工程一覧


3Dプリンターの後処理は、大きく分けて「①洗浄/粉末除去 → ②二次硬化 → ③サポート材の除去 → ④バリ取り → ⑤研磨 → ⑥表面処理・コーティング → ⑦塗装・メッキ」という順序で進みます。すべての工程が毎回必要になるわけではなく、造形方式・材料・仕上がりの要求レベルに応じて取捨選択します。なお、①〜③(洗浄・二次硬化・サポート除去)の順番は造形方式によって前後します。光造形では洗浄→二次硬化→サポート除去が一般的ですが、FDMのようにサポート除去から始める方式もあります。


まずは各工程の目的と概要を、順番に確認していきましょう。


3Dプリンター後処理の7工程フロー(洗浄→二次硬化→サポート材除去→バリ取り→研磨→表面処理・コーティング→塗装・メッキ)



洗浄/粉末除去


洗浄/粉末除去とは、造形物の表面や内部に残った余分な材料を取り除く工程です。光造形では未硬化の樹脂を洗い流し、粉末造形では余分な粉末を除去します。


光造形では、造形直後の部品表面に未硬化のレジンが残っているため、IPA(イソプロピルアルコール)や専用洗浄液、あるいは水洗いレジンであれば水で洗い流します。粉末造形(SLSなど)では、部品のすき間に入り込んだ余分な粉末をエアブローやブラシで除去します。洗浄・粉末除去が不十分だと、表面のべたつきや仕上がりのムラの原因になります。



二次硬化(UV硬化)


二次硬化とは、光造形で造形した部品に紫外線を追加照射し、樹脂を完全に硬化させる工程です。光造形特有の後処理で、強度と寸法安定性を確保するために行います。


造形直後の光造形部品は「生乾き」に近い状態で、まだ完全には固まっていません。UVライトや専用の硬化装置で一定時間光を当てることで、本来の強度・剛性に到達します。硬化が不足すると、時間の経過とともに変形したり、もろくなったりすることがあります。



サポート材の除去


サポート材の除去とは、造形中に張り出し部分を支えていた補助構造を取り外す工程です。造形物を本体だけの状態に整えます。光造形では、洗浄・二次硬化のあとにサポートを外すのが一般的です。


サポート材は、ニッパーやピンセットで物理的に取り除くタイプと、専用の液体に浸けて溶かす「水溶性サポート」タイプがあります。除去の際は、部品本体を傷つけないよう、接合部(サポートと本体がつながる点)を丁寧に処理することが重要です。除去後には、跡が残った箇所を軽く研磨して整えます。


サポート材の役割・種類・設定方法・外し方の詳細は、3Dプリンターのサポート材とは?役割・種類・設定方法・外し方で詳しく解説しています。



バリ取り


バリ取りとは、造形物のエッジや接合部に生じた不要な出っ張り(バリ)を取り除く工程です。手触りや見た目、組み付け精度を高めるために行います。


デザインナイフやヤスリ、専用のバリ取りツールを使い、角や穴のふちを整えます。細かい部分は、目の細かい紙やすりやスポンジやすりで仕上げると、なめらかになります。



研磨(表面をなめらかにする)


研磨とは、紙やすりなどで造形物の表面を削り、積層痕やざらつきをなめらかに整える工程です。外観品質を大きく左右する、後処理の中心的な作業です。


研磨は、目の粗い番手(例:#240前後)から始め、徐々に目の細かい番手(#400、#800、#1000…)へと段階的に進めるのが基本です。いきなり細かい番手を使っても積層痕は取れず、逆に粗いままで止めると塗装後に段差が目立ちます。光造形部品を対象にした具体的な仕上げ手順は、光造形3Dプリンターの表面仕上げガイドで詳しく紹介しています。



表面処理・コーティング


表面処理・コーティングとは、研磨後の表面に処理を施し、なめらかさ・光沢・保護性能を高める工程です。用途や見せ方に応じて選択します。


代表的な手法には、次のようなものがあります。




  • サーフェイサー(下地処理):塗装前に吹き付けて、細かな傷を埋め、塗料ののりをよくする

  • 蒸気研磨(ケミカルスムージング):溶剤の蒸気で表面をわずかに溶かし、なめらかな光沢面に整える(対応材料に注意)

  • コーティング:クリア塗料や樹脂で表面を覆い、耐候性・耐摩耗性・防水性などを付与する




塗装・メッキ


塗装・メッキとは、造形物に色や金属調の質感を与え、外観と機能を高める仕上げ工程です。後処理の最終段階にあたります。


塗装は、下地処理(サーフェイサー)→塗装→トップコートの順で行うと、発色と耐久性が両立します。素材ごとの相性や道具の選び方、失敗しない手順は、3Dプリント品の塗装を完全解説で体系的に解説しています。メッキは、樹脂部品に金属の膜を形成する処理で、金属調の外観や導電性・耐摩耗性を付与できます。


実際にどこまでの後処理が必要か、費用や納期がどうなるか気になる方は、3Dデータをアップロードするだけで最短3分の自動見積りが可能です。→ 無料お見積りはこちら





造形方式別の後処理の違い


3Dプリンターの後処理は、造形方式によって必要な工程が大きく異なります。結論として、光造形は「洗浄・二次硬化」が必須、FDMは「サポート除去・研磨」が中心、粉末造形は「粉末の除去」、金属造形は「熱処理・サポート切断」が加わる、という違いがあります。


また、同じ造形方式でも、使う材料によって必要な後処理は変わります(たとえば同じ光造形でも、標準レジンと高強度レジンで仕上げの手間が変わることがあります)。造形方式の基本的な違いについては、3Dプリントの代表的な5つの方式もあわせて参考にしてください。主な方式ごとの後処理を、下表に整理します。













造形方式主な後処理工程特徴・注意点
FDM(熱溶解積層)サポート除去 → 研磨 →(塗装)積層痕が比較的目立つため、外観重視なら研磨が重要。水溶性サポートなら除去が容易
光造形(SLA/LCD/DLP)洗浄 → 二次硬化 → サポート除去 → 研磨 →(塗装)未硬化樹脂の洗浄と二次硬化が必須。IPAなどの薬剤・UV装置を扱う
粉末造形(SLS)余分な粉末の除去 →(研磨・染色)サポート材が不要な方式。粉末の飛散対策が必要
インクジェットUV硬化(マテリアルジェット)サポート除去 → 洗浄高精細だが、サポート除去時に表面を傷つけない配慮が要る
金属造形(粉末床溶融結合など)熱処理 → サポート切断 → 研磨・機械加工熱処理(応力除去)はビルドプレート付きのまま行うことが多く、その後にサポートを切断する。仕上げに専用設備を要することが多い

このように、後処理は「造形して終わり」ではなく、方式ごとに専用の薬剤・装置・技術を必要とします。特に光造形の洗浄・二次硬化や金属の熱処理は、設備と安全管理が前提になる点に注意が必要です。


造形方式別(FDM・光造形・粉末造形・インクジェット・金属)の後処理必要度マトリクス





後処理を自分で行う場合の道具と注意点


後処理を自分で行う場合は、工程ごとに最低限の道具をそろえ、薬剤や粉塵の安全対策を必ず行うことが前提になります。仕上がりの品質は、道具と手順の丁寧さに直結します。


工程別の代表的な道具は、次のとおりです。




  • サポート除去:ニッパー、ピンセット、(水溶性サポートの場合)専用洗浄槽

  • 洗浄/粉末除去:光造形はIPA(イソプロピルアルコール)や専用洗浄液・洗浄容器、粉末造形はブラシ・エアブロー。いずれも手袋を着用

  • 二次硬化:UVライトまたは硬化装置

  • 研磨:紙やすり(複数の番手)、スポンジやすり、当て木

  • 塗装:サーフェイサー、塗料、エアブラシまたは筆、マスキングテープ



一方で、次のような安全上の注意点があります。




  • 薬剤の取り扱い:IPAなどの溶剤は引火性があり、皮膚刺激もあるため、換気・手袋・保護メガネを徹底する

  • 紫外線対策:二次硬化のUV照射は目や肌に有害なため、直視や被曝を避ける

  • 粉塵対策:研磨時や粉末造形で生じる粉じんには吸い込みリスクがあるため、防塵マスクを着用する

  • 廃液処理:洗浄に使ったIPAやレジン廃液は、地域のルールに従って適切に処理する(そのまま排水しない)



こうした設備・薬剤・安全管理の手間が、後処理を自分で行う際のハードルになります。次章では、これらをまとめて任せられる外注という選択肢を紹介します。





後処理を外注するメリット


後処理を外注する最大のメリットは、設備・薬剤・作業工数を自社で抱えずに、安定した品質の仕上がりを得られることです。特に、量が多い場合や高い外観品質が求められる場合に効果的です。


外注には、次のようなメリットがあります。




  • 設備・薬剤が不要:UV硬化装置や洗浄設備、溶剤の管理を自社でそろえる必要がない

  • 工数の削減:設計者が後処理作業に時間を取られず、本来の設計・評価業務に集中できる

  • 品質の安定:造形から後処理まで一括で依頼でき、経験に基づいた均一な仕上がりが期待できる

  • 安全リスクの回避:薬剤・粉塵・廃液処理に伴うリスクを社内に持ち込まずに済む



SOLIZEオンライン3Dプリントでは、造形品の納品時に、光造形・インクジェットUV硬化はサポートを除去した状態、粉末造形は余分な粉末を除去した状態でお届けしています。さらに光造形では、ご発注時のオプションとして「サポート痕磨き」を選択いただくことも可能です。材料や納期、追加工に関するご相談は、専任のオペレーターがサポートします。


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仕上げまで対応した実際の造形物は、3Dプリンターの作品例7選でも紹介しています。また、外注そのものの流れや依頼先の選び方については、3Dプリントを依頼するには?外注の流れと失敗しないポイントで詳しく解説しています。





よくある質問


3Dプリンターの後処理は必ず必要ですか?


用途によりますが、多くの場合で何らかの後処理が必要です。試作品で形状の確認だけが目的ならサポート除去程度で済むこともありますが、外観品質や強度が求められる場合は、洗浄/粉末除去・二次硬化・研磨・塗装などの工程が必要になります。


後処理にはどのくらい時間がかかりますか?


工程と部品の大きさ・数によって幅があります。サポート除去や洗浄/粉末除去だけなら数分〜数十分ですが、研磨から塗装まで丁寧に仕上げる場合は、乾燥・硬化の待ち時間も含めて数時間〜数日かかることもあります。


光造形とFDMで後処理はどう違いますか?


光造形は「洗浄」と「二次硬化(UV硬化)」が必須である点が最大の違いです。FDMはこの2工程が不要な一方、積層痕が目立ちやすいため、外観重視の場合は研磨の比重が大きくなります。


積層痕はどうすれば消せますか?


研磨と下地処理で目立たなくできます。目の粗い紙やすりから細かい番手へ段階的に磨き、サーフェイサーで細かな傷を埋めてから塗装すると、積層痕がほとんど分からない仕上がりになります。光造形の具体的な手順は、光造形3Dプリンターの表面仕上げガイドを参考にしてください。


後処理を自分でやるのと外注するのはどちらがよいですか?


少量かつ簡単な仕上げなら自分で、量が多い・高い品質が必要・設備や安全管理が難しい場合は外注が向いています。溶剤や粉塵、廃液処理のリスクを避けたい場合も、外注が有力な選択肢です。


後処理にかかる費用はどう決まりますか?


主に「工程数・部品のサイズと数量・要求する仕上げレベル・材料」で決まります。サポート除去だけなら安価ですが、研磨から塗装まで仕上げる場合は工数が増えます。SOLIZEオンライン3Dプリントでは、3Dデータをアップロードすれば造形費用を自動で確認でき、光造形の「サポート痕磨き」などのオプションも選択できます。





まとめ


3Dプリンターの後処理とは、造形後の部品を実用・展示に耐える状態へ仕上げる工程で、洗浄/粉末除去・二次硬化・サポート除去・バリ取り・研磨・表面処理・塗装などから構成されます。どの工程が必要かは造形方式・材料・用途によって変わり、特に光造形の洗浄・二次硬化や金属の熱処理は、専用の設備と安全管理を前提とします。


後処理は仕上がり品質を大きく左右する一方で、道具・薬剤の準備や安全対策には手間がかかります。造形から後処理まで一括で任せられる外注を活用すれば、工数を抑えながら安定した品質を得られます。SOLIZEは1990年から3Dプリントに取り組む国内のパイオニアであり、35年以上の造形実績に基づく品質で、後処理を含めたものづくりをサポートします。


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「SOLIZEオンライン3Dプリント」は、最短3分でお見積りから形状の再現性の確認、発注までをオンラインで完結できる3Dプリント出力サービスです。


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